星空と富士山を同時に写す場合に、赤道儀は使えないので 出来るだけ明るいレンズと高感度フイルムが必要になります。 レンズはF1,4〜2,8クラス、フイルムは通常市販されている のはISO1600(3200まで増感可能)。 星を停止させるには、約30秒前後のバルブ完了が目安です。 あらかじめ約30秒間の露出を設定して、絞り値とフイルム感度 を逆算します。フィルムはISO400を1600まで増感するか、 ISO1600をそのまま使用するか、もしくは 3200まで増感する方法があります。 30秒のバルブ撮影の時、(フイルム感度ISO1600 ) 月のない夜・・・・f1,4〜2,8 三日月の夜・・・・f3,4〜5,6 満月 の 夜・・・・f5,6〜8,0 『カメラ』 使用カメラのピント、露出、シャッタースピードは手動で行います。 オートは外してください。 (*特にピントは手動) バッテリーについては、露出時間が短いので余り気にする事はありま せんが、真冬の撮影にはバッテリー自体が寒さのために容量不足に なります。 [予備品は持参します。] 『三脚』 重い=丈夫が通常。多少重くてもしっかりしたものを選ぶ。 (脚を伸ばして軽く力を加えて安定性のあるもの)あとストーンバック も安定性確保に有効。 『結露対策』 結露、霜対策にはいくつかの方法があります。 バッテリーを使った熱線ヒータ、桐灰カイロ、オイル型カイロなど ですが、一番簡単なのは桐灰カイロをストッキングなどに入れて、 レンズにまきつける方法です。 バルブ撮影が終了時には必ずレンズ表面を点検し、余計なものが付 着していないか、こまめに確認をするように心がけてください。 『フィルム』 高感度フィルムはネガ、ポジどちらもISO3200ぐらいまで増感可能。 フイルムの取り扱いには充分注意する必要があります。 冷暗所の保管は必須です。 『照明に関して』 夜景撮影に関して、他の照明はレンズに直接当たらない限り余り 神経質になる必要はないと思います。 車道の横ですと当然車のヘッドライトはありますし、車の方が優先 です。 撮影ポイントですと、懐中電灯を点けて他の撮影者も来ます。 しかし、思ったほどフイルムにはこの灯りは影響されていない事の 方が多いのです。 ここに書かれている事柄は、あくまで基本形です。 必ずしも明るいレンズがなくても、 ”星景富士”はあなたのものになります。 ぜひ、バラエティーに富んだ、夜の富士山を体験してみてください。 (夜の富士山は、町の灯りを反映して意外と明るく、 状況によっては露出オーバーになる事もあります。 段階露出は必ず行うようにしてください。) データ:eos-1、f2.8、約30秒、 条件:半月(月齢8.6)没後撮影、場所:西臼塚 |